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【敬語のプロが解説】上司に「いかがいたしましょうか」はOK【よく聞く間違い敬語は?】

【敬語のプロが解説】上司に「いかがいたしますか」は間違い敬語?
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こんにちは。あおい(@megane_mgr)です。

社会人として、敬語が上手に使えることは基本的かつ重要なスキルです。

この記事では目上の人に対して意見を求める際の正しい敬語の使い方をご説明します。

私はホテルやレストランでのサービススタッフを10年ほど経験しました。

敬語や言葉遣いにはものすごく厳しい職場です。その環境で学んだ正しい敬語をお伝えします。

この記事を読めば以下の3つの敬語の違いと正しい使い方を理解していただけます。

  • いかがいたしましょうか?
  • いかがいたしますか?
  • いかがなさいますか?
あおい

この記事を読めば相談するときに使える正しい敬語が身につきます!

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「社長、いかがいたしますか?」は間違い

部下

社長、いかがいたしますか?

上司と部下のやり取りでよく聞くようなフレーズだと思います。

しかし、この敬語、完全に間違っています。

具体的には社長という目上の人に対して、尊敬語ではなく)謙譲語を使用している点が誤りです。

「謙譲語」ってなんだっけ?という方のためにさらに詳しくご説明します。

尊敬語と謙譲語の違いをおさらい

敬語の使い方/尊敬語と謙譲語の違い

まずは、そもそも尊敬語と謙譲語とは何かをご理解いただきたいと思います。

あおい

はるかなる記憶の彼方かもしれませんが、国語の授業のおさらいです^^

尊敬語と謙譲語の違いは以下の表をご覧ください。

尊敬語話し手が聞き手や話題の主、また、その動作・状態などを高めて待遇することを言い表すもの。
謙譲語話し手が、自分または自分の側にあると判断されるものに関して、
へりくだった表現をすることにより、相対的に相手や話中の人に対して敬意を表すもの。
引用:goo辞書

どちらも目上の人との会話で使ういわゆる敬語です。さらにわかりやすく、私なりの言葉で補足させていただきます。

尊敬語とは「自分以外の誰かを、持ち上げることで敬意を表す言葉です。

例えば、「食べる」の尊敬語は「社長は特上サーロインステーキ弁当を召し上がる」などと使います。

あおい

社長という登場人物の「食べる」という動作を高めることで社長に対しての敬意を表現しているわけですね

そして、謙譲語とは「動作の主である自分を下げることで誰かへの敬意を表す言葉です。

同じように「食べる」の謙譲語は「新入社員の私はコンビニおにぎりをいただく」のような使い方をします。

食べるという自分の動作を下げることで、相手を高めて敬意を表現しています。

「いかがいたしますか」は尊敬語と謙譲語が混ざってる

いかがいたしますかの正しい使い方

前フリが長くなりましたが、「社長、いかがいたしますか?」の具体的な誤りをご説明します。

今回の質問で知りたい本質的なことは「社長、あなたはどうする?」ということですね。

先ほどの例では、社長を高めたいのに「いたす」(=”する”の謙譲語)という動作の主(=社長)を下げる言葉を使っているのが不適切なのです。

では、正しい敬語はどのような表現かというと、いかがなさいますか?」もしくは「いかがいたしましょうか?です。

あおい

ここで非常に大事な注意点があります!

この2つの敬語はどちらも正しいのですが、行動の主体が誰なのかによって使い方が異なります!!

イメージしやすいように、具体的な例を考えてみましょう。

【正しい敬語①】社長、いかがなさいますか?

例えば、社長のランチを買いに行くというミッションを与えられたケースを考えてみます!

あおい

社長、本日のランチは”特性サーロイン弁当”と”北海道産ウニいくら丼”が選べます。いかがなさいますか?

これが正しい「いかがなさいますか?」の使用例です。

「いかがなさいますか?」は「(社長、あなたは)どうするの?」という言葉の尊敬表現です。

どうするのか選ぶのは社長(=目上の人)なので”する”の尊敬語である”なさる”を使うのが正解です。

「いかがされますか?」という表現でも間違いありません。

【正しい敬語②】社長、いかがいたしましょうか?

社長行きつけのお店についた私は驚愕の事実を目の当たりにするのです。

なんと、社長がご所望の特製サーロイン弁当が売り切れているのです!!ウニいくら丼ならまだある!!

判断しかねた私は社長に電話して指示を仰ぐのでした。

あおい

社長、特製サーロイン弁当が売り切れております。北海道産ウニいくら丼でしたらございます。
他のお店にサーロイン弁当を探しに行くこともできますが、いかがいたしましょうか?

これが「いかがいたしましょうか?」という表現の適切な使用例です。

これは「(私は)どうしたらいい?」という言葉の謙譲表現です。

行動をとるのは私なので謙譲語である”いたす”を使うのが正解です。

ここでポイントなのは、「いたしましょうか?」という聞き方です。この表現によって、「私はどうしたらいいですか?」という相談となり、主語が社長ではなく私になるのです。

「いたしますか?」でも意味は伝わるので日常生活で問題はないかもしれません。ただ、役職が高位である方の多くは年齢も高いため、敬語に厳しい方も多いでしょう。きっと行動や発言を細かく見ていますので、正しい敬語を使ってライバルに差をつけましょう。

まとめ ~どうするかを聞くときの正しい敬語~

どうするかを聞くときの正しい敬語

目上の人に対してどうするかをうかがう場合は以下のいずれかのフレーズを使ってみてください。

「いかがなさいますか?」or「いかがされますか?」

「いかがいたしましょうか?」

正しい言葉遣いをスマートに使うことで、同僚に差をつけることができます。

また、接客業の方であればお客様にも安心感と信頼感を持っていただくことができます。

尊敬語と謙譲語の違いを知ったうえで、正しい敬語表現を使ってみてください。

行動する人が目上の人の場合

その方への敬意を表現するために尊敬語を使用する

例「(社長は)いかがなさいますか?」

自分がへりくだることで敬意を表す場合

謙遜して自分を下げることで相手への敬意を示すために謙譲語を使用する

例「(わたしは)いかがいたしましょうか?」

敬語はビジネスマンには必須のスキルです。

正しい敬語を使うことで「あの人はできた人だ」と言われる存在を目指しましょう!

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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